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   ドイツの経済政策
 景気対策に関連する補足説明(2)
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このページではドイツの景気対策に関連する制度や用語などについて補足的に説明していく予定です。
* 乗用車購入に対する環境(廃車)奨励金 (UmweltPraemie, Abwrackpraemie)
* 労働時間短縮手当 (Kurzarbeitergeld)
* 子供(児童)手当および子供(児童)控除 (Kindergeld, Kinderfreibetrag)
* 財政計画 (Finanzplan)
* 航空税(Luftverkehrssteuer)
* 債務抑制条項(Schuldenbremse)
* ヨーロッパの若者の失業率                                       景気対策に関する補足説明(1)へ

基本法の債務抑制条項
 
Schuldenbremse=債務ブレーキ))

1. 概要
連邦および州の予算について、原則として借り入れ
による収入なしで均衡させなければならないことを定
めた基本法(憲法)の条項。2009年8月1日発効の
基本法改正法によって、主に第109条、第115条お
び第143条に盛り込まれた。

目的は連邦および州予算の長期的安定と国家の
課題を満たすための財政的余力を確保することに
ある。
債務抑制条項の要点は次のとおりで、条文においては債務額の算定方法などについても詳細に定められている。

○連邦および州の予算は原則として借り入れによる収入なしで均衡させなければならない。
○連邦予算については2016年以降、景気変動を要因としない構造的赤字は国内総生産の0.35%を上限とする。
○連邦は景気変動に対して対称的な措置をとること、すなわち不況時の赤字に対して好況時の黒字を見込むことは例外として認められる。
○州は2020年以降借り入れを認められない。
○連邦、州ともに自然災害など深刻な事態に際しては借り入れの上限を超えることができる。
○財政上の非常事態を早期に察知し、対処するため、連邦と州共同の安定審議会を置く。
○債務抑制条項は連邦、州ともに2011年予算から適用。ただし、連邦については2015年末まで、州については2019年末までを移行期間として認める。
○財政力の弱いブレーメン、ザールラント、ベルリン、ザクセン・アンハルトおよびシュレスヴィヒ・ホルシュタインの各州は2011年から2019年までの期間、均衡化支援として毎年合計8億ユーロの配分を受ける。この額の半分は連邦が負担し、残り半分はすべての州が州に配分される付加価値税で負担する。8億ユーロの配分はブレーメン3億ユーロ、ザールラント2億6,000万ユーロ、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、ベルリン、ザクセン・アンハルト各8,000万ユーロ。

2.関係条文(仮訳)

第109条
 (2)連邦および州は欧州共同体の設立に関する条約第104条に基づく欧州共同体の立法行為によって生じる財政規律の維持に関するドイツ連邦共和国の責務を共同して満たすとともに、経済全体の均衡のために必要な事項に顧慮するものとする。
 (3)連邦および州の予算は原則として借り入れによる収入なしで均衡させなければならない。連邦および州は、景気の上昇および後退に際して通常の状態から乖離した景気の展開から生じる影響をバランスさせて考慮するための規定および国によるコントロールの範囲を超え、国の財政状態を大幅に損なうような自然災害または非常事態に際しての例外規定を定めることができる。例外規定については対応する返済規定を設けるものとする。連邦予算に関する規定の詳細は、借り入れによる収入が名目国内総生産額の0.35%を超えなければ第1文が満たされることを基準に、第115条で定める。州の予算の編成に関する詳細は、借り入れによる収入が許容されない場合においてのみ第1文が満たされことを基準に、憲法による権限に基づいて州が定めるものとする。
 (5)ヨーロッパ共同体を設立する条約第104条の財政規律を遵守するための規定にかかわるヨーロッパ共同体の制裁措置は連邦と州が65対35の割合で負担する。

第109a条
財政上の非常事態の回避のため、連邦参議院の同意を条件とする連邦法で次の定めを行う。
1.連邦と州の共同の機関(安定審議会)による連邦および州の予算管理の継続的監視、
2.財政上懸念される非常事態の確認に関する前提条件および手続き
3.財政上の非常事態の回避のための再建計画の策定および実施に関する基本原則
4.安定化審議会の決定およびそのベースとなった審議書類は公表すること

第115条
 (2)収入と支出は借り入れによる収入なしで均衡しなければならない。借り入れによる収入が名目国内総生産額の0.35%を超えなければこの原則が満たされたものとする。加えて、景気が通常の状態から乖離して展開する際は、予算に対する影響を景気の上昇および後退において対称的に考慮するものとする。実際の借り入れが第1文から第3文で認められた借り入れの上限から乖離する場合、その乖離額は管理勘定で把握する。閾値である名目国内総生産の1.5%を越える負担は景気に対応して繰り戻すこととする。詳細、とくに、収入と支出における金融取引分の調整、景気調整手続きに基づいて各年の純借入額の上限を景気動向に照らして算出するための手続き、および、実際の借入額が規定の限度から乖離する額の管理と清算については連邦法で定める。国による制御の枠を越え、財政事情を大きく損なう自然災害または非常事態に際しては、これらの限度は連邦議会議員による多数決によって超えることができる。その際の決議には返済計画を付帯させることを要する。第6文に基づいて行った借り入れの返済は適切な期間内に実施するものとする。

第143d条
 (1)2009年7月31日まで有効な版(訳注:改正前の基本法)の第109条および115条が最後に適用されるのは2010予算年とする。2009年8月1日から有効な版(訳注:改正後の基本法)が最初に適用されるのは2011予算年とする。2010年12月31日時点ですでに設定されている特別資産について存在する借り入れ枠には変更はないこととする。州は2011年1月1日から2019年12月31日までの期間、現在有効な州法の規定に従って、第109条第3項の要件から乖離することができる。州の予算は2020予算年において第109条第3項の要件を満たすよう編成しなければならない。連邦は2011年1月1日から2015年12月31日までの期間、第115条第2項の要件から乖離することができる。既存の債務の削減は2011予算年に開始するものとする。毎年の予算は2016予算年において第115条の要件が満たされるように編成しなければならない。詳細は連邦法で定める。
 (2)2020年1月1日以降第109条第3項の要件を満たすための支援として、ベルリン、ブレーメン、サールラント、ザクセン・アンハルトおよびシュレスヴィヒ・ホルシュタインの各州は2011年から2019年までの期間、連邦予算から毎年総計8億ユーロの健全化支援を受けることができる。このうち、ブレーメンは3億ユーロ、サールラントは2億6,000万ユーロ、ベルリン、ザクセン・アンハルトおよびシュレスヴィヒ・ホルシュタインはそれぞれ8,000万ユーロとする。この支援は行政取り決めに基づき、連邦法の規定に従い、連邦参議院の同意を得て行われる。支援の提供は財政赤字を2020年末までに完全に解消することを条件に行う。詳細、とくに毎年の財政赤字の削減ペース、安定審議会による財政赤字削減の監視および削減ペースを遵守しなかった場合の措置については連邦参議院の同意による連邦法および行政管理協定によって定める。予算事情の緊急事態を理由とする健全化支援および再建支援双方の供与は認められない。
 (3)健全化支援の供与によって生じる財政負担は連邦と州が折半し、州は州に配分される付加価値税によってこれを行うものとする。詳細は連邦参議院の同意を得た連邦法で定める。
(以上)

ヨーロッパの若者の失業率
ギリシャ、スペイン、ポルトガルなど南ヨーロッパ諸国の若年層の失業率が高く、「50%を上回る」、「6割が失業」といった形で日本でも騒がれている。しかし、若者の場合は「就学中」などの理由で労働市場に参入していない者が多い。したがって、労働力人口に占める失業者の割合で示される失業率は当然高くなる。
そのため、EUではいわば同年代の人口に占める失業者の割合でみた失業率も発表している。それでいくと、、たとえば、公式には57.3%のギリシャは16.6%と3分の1以下になる。それでも高い水準ではあり、EU各国は協調して若者の失業対策に取り組んでいる。詳しくはこちらで説明しています
(2014.11.03)

 
    
   -- ドレスデン情報ファイル 2011.12.20--
更新:2014.11.07