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    ドイツの原子力政策
   2.原子力の扱いをめぐる動き (2)

2013年04月09日(火)
連邦と州が核廃棄物最終貯蔵立地探索のやり直しで合意

連邦と州は高レベル核廃棄物貯蔵場の探索をドイツ全土を対象に改めて開始することで合意した。
主な合意点は、(1)探索にあたっては基本的手続きを定めた新たな「最終貯蔵立地探索法」を制定する、(2)連邦議会、連邦参議院、学界、経済界、環境団体、労働組合および教会の代表24名で構成される「アンケート委員会」を設置して、高レベル核廃棄物貯蔵場所としての適性を判断するための基準を定める、(3)これまで候補地として調査してきたゴアレーベンへの廃棄物搬入を中止する、などである。
このうち、最終貯蔵立地探索法は国会が夏期休暇に入る前の7月5日に成立する予定で、その後、アンケート委員会の決定を見て、必要であれば改正される。
アンケート委員会の設置は最貯蔵立地の選定が将来世代にも及ぶ重要な課題であることから党派や州を超えた議論を超えたコンセンサスを形成するものである。
委員会は2015年までに作業を終了し、候補地の調査・選定手続きは遅くとも2031年までに完了する。貯蔵施設の建設はその後開始し、2040年には使用が可能になる必要がある。これは2002年および2003年に認可された中間貯蔵施設の期限が40年間となっているためである。施設が完了するまでの費用は原因者である電力業界が負担する。

背景
ドイツは1970年代後半以来、高レベル放射性廃棄物の最終貯蔵についてニーダーザクセン州ゴアレーベンの塩鉱床を唯一の候補地として調査を実施してきた。しかし、この立地については選定当初から安全性に疑問が持たれていた。立地を指定した当時のニーダーザクセン州政府が東西ドイツの国境地帯であったこの地域の経済振興を重視して選定し、地質学的な面などからみた安全性には重きを置いていなかったことなども判明した。このため、ゴアレーベンにおける最終貯蔵施設の設置に対して大きな反対運動が巻き起こっていた。また、調査の過程で最終貯蔵施設の設置場所としても適性にあらたな疑問も多くもたれるようになった。
ドイツ政府は2000年10月から2010年9月までの10年間、ゴアレーベン最終貯蔵施設について、その構想および安全性を明らかにするため、調査を停止した(モラトリアム)。その間には、元ニーダーザクセン州首相で、その後連邦環境大臣を務めたガブリエル社会民主党党首のようにゴアレーベン以外の立地についても比較検討することを求める声もあったが、2009年に成立したCDU/CSU・FDP政権は連立協定において、最終的に適性がはっきりするまでゴアレーベンの調査を続けるとしていた。
2010年10月、モラトリアムは停止されたが、その後は2011年の福島原発事故後の情勢変化やニーダーザクセン州議会選挙などを背景に方針の見直しが進んでいた。
核廃棄物の最終貯蔵施設としてはほかに中・低レベル放射性廃棄物の最終貯蔵施設として旧塩鉱山Asse IIおよび旧鉄鉱山Konradがあり、Asse IIは漏水事故などにより廃棄物の搬出作業が行われている状態であるが、ゴアレーベンを含めていずれもニーダーザクセン州にある。そのため、ニーダーザクセン州は高レベル放射性廃棄物の最終貯蔵立地の選定をやり直すに際しては最初からゴアレーベンを外すよう求めていたが、この問題もアンケート委員会で扱われることになる。(2013.04.16)


2013年6月28日(金)
高レベル放射性廃物最終貯蔵立地探索法
*が連邦議会を通過。

2031年までに探査を終了するための手続きを新たに定めたもので、与党CDU/CSU、FDP、野党のSPD、緑の党が共同で法案のとりまとめにあたり、圧倒的で多数で可決された。左派党は電力会社による探査基金の設置を求めて法案に反対した。
同法に基づいて、新たに33名から成る最終貯蔵施設委員会を設置して、今後2年間程度で最終貯蔵立地の選定手続き、選定基準などの詳細を検討し、3分の2の多数決で報告書をまとめる。委員会には連邦議会および州の代表各8名と中立の議長が加わるが、議決権を持たない。議決権を持つのは学界代表8名のほか、環境グループ、経済界、労働組合および教会の代表各2名。この委員会については当初連邦議会のアンケート委員会として設置することが予定されていたが、立地として直接関係することになる州の代表(連邦参議院)が加わることになったため、アンケート委員会としては基本法(憲法)上の疑義が生じることになり、国会代表は議決権のないメンバーとして参加することになった。
政府は最終貯蔵施設委員会の報告に基づいて法案をまとめ、議会の承認を得て、ようやく探査が開始される。
同法ではこのほか、2014年をめどに連邦核廃棄物処理庁を設置すること、電力会社が今後も核処理場探査のコストを負担すべきことなどを定めている。
*発熱性放射性廃棄物最終貯蔵施設の立地探査および選定、その他の法律の改正に関する法律(立地選定法)Gesetz zur Suche und Auswahl eines Standortes für ein Endlager für Wärme entwickelnde radioaktive Abfälle und zur Änderung anderer Gesetze (Standortauswahlgesetz – StandAG)
同法は2013年7月27日発効。

なお、ドイツでは将来の技術発展によっては貯蔵された核廃棄物を何らかの形で再処理できる可能性もあり得ることから、廃棄物を取り出すことのできるような施設とするべきかどうかも検討課題となっている。したがって、当サイトでは核廃棄物の「最終処分場(施設)」とせず、ドイツ語の呼び方にしたがって「最終貯蔵施設」としている。(2013.06.29)

注)原子力法では、施設の建設を含む最終貯蔵のための費用は廃棄物を発生させた原因者が負担する義務を負っており、基本的には原子力発電所を運営する電力大手が負担することになる。電力大手はそのための留保を行うことが認められており、その額は現在400億ユーロと推定されているが、最終貯蔵ができるようになるまでにはこれを大幅に上回る費用がかかるとみられている。

2015年06月03日(水)
欧州裁判所がドイツの「核燃料税」は合法との判決。
E.ONがグラーフェンラインフェルト原子力発電所(バイエルン州北部)の稼働を6月27日に停止すると発表。

稼働は法律上2015年末まで認められているが、E.ONは当初それよりも早く6月20日頃停止としていた。1週間延期した理由は、冬の気温が高かったため、炉内の燃料が想定よりも多く残ったため、としている。
同発電所の稼働停止でドイツの脱原発は新たな段階に入るが、ドイツ経済研究所(DIW、ベルリン)は5月28日付の週報で、残る原発が順次閉鎖されてもドイツの電力供給に問題が生じることはなく、2025年以降もドイツは電力で輸出超過を維持するとの見通しを発表している。

2017年5月8日(月)
中間貯蔵設備の管理を原発事業者に代わって連邦が引き受け

高レベル放射性廃棄物の最終貯蔵に関する責任分担体制が変更されたのに伴い、従来、原子力発電事業者が行っていた放射性廃棄物の中間貯蔵設備の管理を連邦が担当することになり、中間貯蔵会社(BGZ)が100%連邦の所有となる。BGZはゴアレーベンおよびアーハウスの中央中間貯蔵施設のほか、2019年からは12カ所の原発立地に分散して置かれている中間貯蔵施設、さらには、原発の稼働および解体から生じる低レベルおよび中レベルの廃棄物の管理にあたる。
BGZは2017年3月に連邦環境省との合意により核サービス会社(原子力大手の合弁会社)が設立していた。連邦は2017年8月にBGZ社のすべての業務を受け継ぐ。
2016年末の原子力廃棄物処理の責任の再編に関する法律により、原子力発電所の停止、解体および放射性廃棄物処理の責任体制が変更され、停止、解体および放射性廃棄物の適切な包装の実施および資金調達全般が現克事業者の責任となり、中間および最終貯蔵の実施および資金調達が連邦の責任となった。
中間・最終貯蔵のための資金は法律に基づく基金により原発事業者から連邦に提供される。基金の規模は役240億ユーロとなる。従来事業者が負担していた中間。最終貯蔵のための費用は基金が負担する。

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   -- ドレスデン情報ファイル 2011.04.16 -
更新:2013.04.16、2013.06.29、2015.06.14、2016.12.12、2017.05.13