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コロナ危機 |
2.新型インフルエンザ感染拡大にに伴う小規模事業者、フリーランサー、
スタートアップ等対する緊急支援策策 |
ドイツは新型コロナウイルス感染の拡大に伴って、とくに小規模事業主、独立自営業者、フリーランサー、スタートアップ等に対して事業および生活を維持するうえで必要な各種の支援を行っている。
経営環境の急激な悪化を理由とするもので、感染防止法などに基づく営業休止措置の対象となっている、いないにかかわらず適用される。
以下は対象となる10人以下の小規模事業者向けの連邦財政省の資料に基づくいているが、「従業員に対する労働時間短縮手当」など、対象が小規模企業やフリーランサーなどに限られないものも含まれている。
1. 納税の延期
事業主の事業流動性を強化するもので、所得税、法人税および売上高税の分野の納税を延期することができる。したがって、後日納めることができ、税の前払いを減額することができる。管轄税務署に申し出ること。未納の税金がある場合の執行は当面停止される。
2. 緊急支援措置
とくに賃貸・リース(Pacht)コストその他の事業経費(事業スペース、リース料のための融資など)について緊急支援を受けることができる。この緊急支援はコロナ・パンデミックによって経営面の困難(存続の危機ないしは流動性の隘路)に陥った者が対象。具体的には2020年3月以前には経営困難な状態になく、損失が2020年3月11日以降に始まった者。
自営業者およびおよび従業員5人までの企業の場合は、経常経費を3か月間まかなうために最大9,000ユーロの一時払いを受けることができる。
従業員10人までの企業は最大15,000ユーロ。(従業員数はいずれもフルタイム相当。)
この一時払い金の返済は不要。ただし、支給された給付金が実際のコストを超えた場合は超過分を返済しなくてはならない。家主が家賃を20%以上引き下げた場合は、給付金をさらに2か月分に充てることができる。
この措置は各州を通じて実施される。各州は多くの場合独自の支援措置を設けている。これらは合わせて申請することも、別々に申請することもできる。したがって、州が行う給付は連邦の緊急措置に上乗せされるものではない。緊急措置の申請は所属する州に行う。
3. 賃貸契約の維持
コロナ危機によって賃貸料の支払いに遅延が生じた場合は賃貸関係が解約されないこととする。また、危機によって支払いを直ちに行うことができない場合は、基本的供給(電気、ガス、通信および民法にしたがって定められている場合は水)を停止されないこととする。
この規定は2020年6月30日までとする。
4. 数か月間は破産申告が不要
コロナ・パンデミックによって事業主および事業が支払い困難に陥った場合、数か月間(2020年9月30日まで)は破産を申告しなくてもよい。この異常な危機の下では回復できない事実を作る必要はない。
5. 従業員に対する労働時間短縮手当
雇用主として労働時間短縮手当によって困難な事態に対応することが可能。賃金コストを迅速に削減して、同時に従業員を引き続き雇用することができる。削減された賃金の一部は連邦労働庁が引き受ける。加えて、連邦労働庁は雇用主として支払った社会保険料を全額補てんする。
(今回は支給条件が大幅に緩和されている。従来の制度についてはこちら。)
6. 取引銀行を通じた復興金融公庫(KfW)の支援融資
復興金融公庫(KfW)が低利で、極めて大きな支援融資を用意している。KfWの融資条件は緩和されているほか、返済リスクを90%まで引き受ける。これによって、銀行や貯蓄銀行は融資を行いやすくなる。取引銀行を通じて申し込む。
7. 生活維持および家賃の保障
基本保障(生活保護)の申請を簡素化することによって、危機の中で収入が途絶えても生活の維持および家賃の支払いを確保することができる。申請にあたって、今後6か月間は保有財産を開示したり、財産に手をつけたりする必要はない。ただ、大きな財産を保有していないことを誓約する必要がある。給付の迅速な支給のため、基本保障の申請は暫定的に承認される。生活困難度に関する通常の調査は、6か月後になお基本保障を必要とする場合に行う。
8. 各州の緊急対策
各地の関係先(商工会議所、州の振興銀行など)に問い合わせのこと。
以上 |
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