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住宅事情 |
これからドレスデンに住むという方からのご質問が多いため、住居を借りるに当たっての参考事項をまとめてみました。経験、記憶を基に記述したもので、内容については保証いたしません。お気づきの点があればご指摘いただけると幸いです。
全般
住宅供給は数の上では需要を上回っており、借り手市場といえる。しかし、広さ、質などの面で希望に沿う物件は必ずしも多くないので、条件に合う家をじっくり探すようにする。
建物
大別すると、①戦前の古い建物、②旧東独時代の建物、③東西ドイツ統合後(1990年以降)の新しい建物がある。①および②は通常は統合後に改修された建物が借りる対象になるが、②は元々の建物があまりよくない。したがって、①で、きれいに改修されたものか、③の比較的新しい建物を借りるのが一般的。
一戸建ては市内には少なく、郊外のものは買い物などにも不便といえる。
用語:Haus=一戸建。大きいものはVillaと呼ぶこともある。Wohnung=アパート(マンション)。建物はビル形式のものや一見すると一戸建ての大きな家のように見えるが、中は数家族で住むようになっているものなどがある。賃貸の場合はMietwohnungともいう。Eigentumswohnung=分譲マンション。
設備
家具、照明器具、カーテンなどは何もついていないのが普通で、返す時も通常は元どおりにして返す。新築や改修したばかりの家ではカーテンレールもついていない。念のため、バスタブ、洗面台、トイレはついているのが普通。
台所の設備はついている場合と、ついていない場合がある。ついていない場合は家具と同様、システム・キッチンを店で買って、取り付けてもらう。(取り付けまでに時間がかかることがあるので、要注意。)
一人用のアパートでは家具つきのものがあるが、家族で住める家具つき住宅は非常に少ない。
家賃
家賃は暖房費などを含むWarmmieteと暖房費などを含まないKaltmieteで表示される。
家賃の額は地域、建物によって相違し、Warmmieteで5ユーロ/㎡から8ユーロ/㎡程度。
水道・下水代は通常家賃に含まれ、電気、ガス、電話、テレビの視聴料などは家賃に含まれない。
仲介料
不動産業者の仲介料は家賃の1~2ヵ月分。
保証金
通常は家賃の1ヵ月分程度の保証金(Kaution)を家主に預ける。退出時に家主は預かった期間の利子をつけて返還しなければならない。そのため、家主はそれ専用の口座を作ることもある。ただし、一定期間家を使用して退出する時には家主は大抵改修費を請求し、これを保証金で清算することもある。
保証金については家主に預けるのではなく、その額について銀行で保証書を作ってもらい、これを家主に提示する方法もある。
選択の基準
安全性、通勤・通学・買い物の便を考慮して決める。
日本人はインターナショナルスクールもあるBlasewitz地区やStriesen地区北部あたりに住む人が比較的多い。位置は、市の中心街から東へ5kmほどのエルベ川に沿ったの地域(川の西側)。
いずれにしても、安全性を重視したい。
日常の買い物は、近所の店以外では市の中心街を考えておけばいいと思われる。(郊外数カ所に大型のショッピングセンターがあるが、住居選びの基準にはあまりならないと思われる。)
オペラや音楽会、来訪者に対する観光案内等は市の中心街となるので、必要に応じて考慮する。
市電やバスの停留所に近いのが望ましいが、路線にあまり近いと地響きが伝わるという人もある。
駐車場の有無(通常路上駐車が可能であるが、寒い冬のことなどを考えておく。地下などの駐車場は有料の場合でも40~50ユーロ/月。)
子供がいる家族の場合は、周囲(とくに下の階)の住人に留意
情報源
Internet、新聞、不動産業者、口コミ
Internetは不動産業者が掲載しているものが多い。
新聞には貸し手が自ら広告しているものや、契約期間中にある借り手が途中で次の借り手を捜して広告している場合などもある。そうしたものを直接借りる場合は普通、仲介手数料が不要。
Internetで日本からでも情報収集が可能。ただし、英語サイトは少ない。
例:www.immobilienscout24.de (貸しマンション/アパートが「Dresden」で検索すると6,000件以上、そのうち、「Blasewitz」で200件以上出てくる。)
http://www.sz-immo.de/ 新聞(Saechsische Zeitung)の不動産サイト。
http://www.property-dresden.com/ 市内の不動産業者の英語サイト。物件はあまり多くなさそう。
実際に街を歩いていると貸家の前に「貸します(Zu Vermieten)」などの看板が出ているので、そこに記載されている不動産屋に連絡してみるという方法もある。
(何の業者でもそうであるが、不動産業者も親切な人ばかりではないので、気に入らないものは断り、押し付けられないよう、に注意が必要。)
選定方法(下見など)
ドイツ語と移動手段(とくに自動車の使用)に問題がなければ、インターネットや新聞を見てアポイントメントを取ったり、現場を見て、交渉するといったことが可能であるが、そうでない場合は不動産屋(Makler)を利用することになろう。(ドレスデンではあまり英語が通じない。)不動産屋によっては候補の物件まで車で案内してくれるが、それなりの料金を要求されるかも知れない。
不動産業者
これまでに日本人にあっせんをした経験があり、英語も可能な不動産業者としてはBarie-Immobilien ( www.barie-immobilien.de/ ) がある。物件への案内もしてくれる。
不動産屋の間のネットワークもあるようなので、各不動産屋それぞれの手持ちのもの以外でもあっせんしてくれるのが普通。(ただし、その分高くなるかもしれない。)
契約期間
当初の契約期間は1年間で、お互い期限の3ヵ月前に解約の通知をしなければさらに1年延長といったところが平均的か。
半年以上借りるのが確実であれば、期間を定めず、3ヵ月前の事前通告でいつでも解約するという契約の例もある。
居住期間が定かでなく、とりあえずということで3ヵ月の契約をした例もある。
契約途中で解約しようとすると、残り期間分の家賃を払わされることになるので、自分の事情に合うよう交渉する。
家具など
店で買う方法と、帰国する人などから譲り受ける方法がある。人から譲り受ける場合は運送屋の手配が必要。
ソファ、戸棚などの家具は一般の家具店では受注生産が普通で、少ない在庫品以外は納品までに3ヵ月から6ヵ月くらいかかるのが普通。
したがって、短期間の使用であればI郊外にあるKEAで組み立て家具を買うのが便利。車がない場合は配達(有料)を依頼できる。小型トラックを借りることも可能。組み立ても依頼できるが、IKEAの家具くらいは自分で組み立てたい。そのためにはある程度の工具が必要。
それ以外には通信販売という手もある。数日で配達してくれる。割増料金を払えば24時間で配達してくれるものも多い。自分で配送の手配をする必要もない。
主な通信販売会社: www.neckermann.de, www.otto.de,
照明器具も天井への取付金具から自分で取り付ける必要あり。カーテンも、通常はカーテンレールから取り付ける必要あり。自分でできない場合は建物の管理人(Hausmeister=ハウスマイスター)に依頼する方法がある。その場合、それなりの謝礼をする。
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