ドレスデンはドイツ学術振興財団(Stifterverband fuer die Deutsche Wissenschaft)によって「2006年の学術研究都市(Stadt
der Wissenschaft 2006)」に指定されている。
厳しい選考基準をクリア
ドイツ学術振興財団は立候補する主要都市の中から毎年コンテストで最も優れた都市をひとつ選定し、「学術研究都市」の称号を与え、12万5,000ユーロの奨励金を授与している。
「2006年の学術研究都市」には当初6つの市が名乗りをあげたが、第一次選考を通過したマクデブルク、チュービンゲンおよびドレスデンの3市で争われた2005年3月15日の選考会で最終的にドレスデンが「2006年の学術研究都市」に指定されたものである。
芸術・文化の伝統に加えて
ドレスデンが選ばれた理由として審査委員会(委員長:ヨアヒム・トロイシュ教授=ユーリッヒ研究センター所長)では、①この15年間に学術面でめざましい発展がみられたこと、②ドレスデンにはもともと数世紀にわたる芸術や文化の伝統があるが、近年は一貫して自然科学および技術に重点をおいて成果を挙げてきたこと、③2006年に予定されている市の800年祭の各種催しも学術に重点を置いて計画されていること、④経済と学術の間に模範的なネットワークが形成されているとしていることなどを挙げている。
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学術振興財団としては、ドイツの都市が自らのポテンシャルを改めて認識し、ネットワーク、とりわけ、学術と経済、そして、学術と文化の間のネットワーク形成に積極的に努め、学術研究を市民に開放することによって自らのアイデンティティーを高めることに貢献するのがこのコンテテストの目的としており、その観点から今年はドレスデンが最も優れていると判断されたものであるとしている。
800年祭とあわせて各種記念行事
指定獲得に向けて意欲的な計画を立ててきた市では「ドレスデンでは学術や研究が行なわれているというだけでなく、研究者や市民がこれを一層推進させているということが重要」、「伝統と将来像を効果的に融合させ、ドレスデンにとって大きな飛躍とする」、「国内だけでなく、ヨーロッパ全体にも名を高め、大学や研究機関のネットワークを充実させる機会ともなる」として、目下具体的な催しなどを策定中で、スポンサーを募集する一方、市民からの提案も歓迎している。
現在挙がっている具体的な案としては、(1)第3回科学の長夜(7月はじめ): 18時から01時まで各大学、研究機関が研究施設を開放、約200の催しを開催。昨年は約2万5,000人が参観。(2)知識の缶詰(Tal
der Ahnungsdosen) 1月以降科学に関するビジョンや要望を飲み物の空き缶(ここでは知識への渇望の象徴)に入れて提出、内容は公表されて、学者などがそれにコメント。使った缶で芸術作品を作る。(3)認識バー(ErkennBar) 7-8月、エルベ河畔に砂場バーを開設、各種の実験や映画上映、講演などを行なう。 |