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   再現された緑の丸天井 (Historisches Grünes Gewölbe)

レジデンツ城の地階、西側に面した一角にある博物館で、2006年に修復が完了し、同年9月15日から一般に公開されている。11世紀から続いたザクセン王家の豪華な宝飾品を展示している。

元は財宝や重要書類などを保管するために1550年頃につくられた保管庫であった。天井がアーチ形を組みあわせたGewölbe(英=vault)になっており、建材の一部が緑色に塗られていたことから、「緑のGewölbeの秘密の保管庫(Geheime Verwahrung des Grünen Gewölbes)」といわれていた。Gewölbe(vault)は日本語では「穹窿(きゅうりゅう)」と訳されるが、難しいことばのためか「丸天井」と訳され、その呼び方が定着しているようである。
この保管庫をアウグスト強王が1723年から1730年にかけてバロック様式の豪華な展示室に改装させ、王家の財宝や貴重な工芸品を集めた博物館として貴族や賓客に公開したもので、ヨーロッパでも類のない華麗な博物館として知られた。
9室のうち3室が第2次大戦の爆撃で破壊されたが、展示品はそれ以前の1942年に安全な場所に移されていたため、被害を免れた。展示品は戦後ソ連に没収されたが、その後1958年に返還された。<
4,000点に及ぶ博物館の収蔵物のうち、約1,000点は旧東ドイツ時代にも公開され、2004年にはレジデンツ城の2階に新しく設けられた「新しい緑の丸天井」に移されたが、残りは場所がなく、非公開のまま収蔵されていた.

<金色のアウグスト強王像>
60余年の歳月を越えて再現された
華麗な博物館

東西ドイツの統合後、レジデンツ城の建物修復に合わせて地階の博物館の内部が4年間、4,500万ユーロ(約60億円)の費用をかけて復元された。一方、収蔵品は専門技術者や工芸家の手によって10年余の歳月をかけて修復、手入れが行なわれてきた。1733年当時そのままの姿で新装成った博物館はドレスデン800年祭にあたる2006年の9月15日に一般公開される。
豪華な展示品は1942年にかくまわれ、ソ連を旅して以来64年ぶりにすべてが公開されるわけであるが、いずれもケースや陳列棚を使わず、そのまま台やテーブルの上の、参観者の手が届くほどのところに置かれている。博物館全体がいわば宝石箱といえる。出入り口にはほこりを避けるためにエアカーテンが設けられており、そこから先は18世紀の絢爛たる世界となる。
創建当時と同じ9つの部屋からなり、3,000点の豪華な宝物が展示されている。(他の1,000点は2階に開設された新しい緑の丸天井に展示。)アウグスト強王がしつらえたように、最初の部屋は琥珀、次は象牙、そして白銀、金メッキ、金銀細工、さらには、宝石で飾られた王冠など順路を進むにしたがって高価な展示品が見られるようになっており、部屋の壁も展示品にマッチして大理石、鏡などに変わっていく。
 
<博物館への入場を待つ人の列>
注) 2004年に同じレジデンツ城内2階に開設された「新しい緑の丸天井(Neues Gruenes Gewoelbe)」と区別するために「歴史的緑の丸天井(Historisches Gruenes Gewoelbe)」との名称がつけられている
以下は2014年10月はじめ時点の情報です。正確には公式ホームページを参照ください。

Information

開館時間
毎日 10:00~18:00 (最後の入場は17:00)

休館日
毎週火曜日

例 外(2014年)
  1月20日~24日: 休館
  1月  1日 14:00~18:00
 12月24日 10:00~14:00
 12月31日 10:00~14:00
 2015年1月19日~23日: 休館

入場券
時間指定の入場券で1時間あたりの入場者数は100名に制限されるので、予約が望ましい。他の博物館等と共通の1日券、年間通し券などは使用できない。

料 金
一般: 12ユーロ、17歳以下: 無料、障害者およびその付き添い: 入場券不要。
(「新緑の丸天井」などレジデンツ城内各種展示場を含むコンビ入場券は一般20ユーロ。)
オンライン・チケット
http://www.skd.museum/en/visitor-service/tickets/index.html (英語)で予約可能(手数料2ユーロ)。
電話(0351/49 14 2000)でも可能.。

   
-- ドレスデン情報ファイル 2006.09.09--
更新:2014.10.01. --