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ドレスデン情報ファイル

ドイツの環境・エネルギー政策

温室効果ガス排出量 削減目標と推移

目 標
 ドイツは2010年のエネルギーコンセプト策定以来、温室効果ガスの排出量を1990年比で2020年までに少なくとも40%、2030年までに同55%、2040年までに同70%削減し、2050年までに80%~95%削減する目標を設定している。

推 移
 京都議定書の目標までは順調に達成したが、その後は削減がほとんど進まず、目標からの乖離が拡大した。その主な要因は経済が順調に成長しtこと、年間30万~40万人に及ぶ移民の流入があったこと、自動車の大型化が進んだことなどであった。
 そのため、2018年には2020年の目標達成を実質的に断念し、態勢を立て直して2030年までの目標達成に尽くすこととした。
 しかし、その後は再生可能エネルギーが設備能力の拡大や天候に恵まれて大幅な増加をたどり、一方で景気が鎮静化したこともあって、CO2排出量は大幅な減少に転じた。
 さらに、2020年はパンデミックによる経済活動の低下でエネルギー・電力需要が大幅に減少したことから、CO2の排出量は7億3,900万トンと、前年比で7,000万トン、8.7%の大幅な減少となり、結果的に当初からの目標である1990年比40%減を上回る40.8%の削減が達成された。(2021年3月16日連邦政府発表)

対 策
 ドイツは2015年のパリ気候保護協定に基づく削減義務を達成するため、2016年秋に「気候保護計画2050」を策定して、2050年までの段階的削減目標および2030年までの分野別削減目標を設定した。
 これに基づいて、関係機関の意見聴取を行い、2019年秋に分野別の具体的な削減手段や道筋などを示した「気候保護プログラム2030」を閣議決定した。

 削減手段の多く立法化を伴うものであるが、同年末には「気候保護プログラム2030」の実施手続きや成果の検証手続きなどを定めた「気候保護法」が発効したほか、2020年8月には「脱石炭法」を発効させた。脱石炭法に基づく発電停止の第1回入札では予想を上回る応札があった。さらに2020年11月には暖房用燃料および自動車用燃料に対する炭素税(排出権取引制度)を定めた「燃料排出量取引法改正法」が発効した。

(以上、「ドイツの気候保護政策の展開」参照)

   
図 ドイツの温室効果ガス排出量削減目標(緑文字)と推移
(単位:100万トン/CO2換算)

注1)日本は年度。ドイツは暦年。
注2)ドイツの目標=2020年に1990年比で40%減、日本の目標=2030年度に2013年度比で26%減
データ出所:以下のデータとドレスデン情報ファイルによる計算。
 ドイツ:連邦環境庁"Treibhaugasemission seit 1990 nach Gase"
 日 本:国立環境研究所「2019年度の温室効果ガス排出量(速報値)<概要>}、(目標値は政府:環境省)



出所:EU Emissions Database for Global Atomospheric Research (EDGAR) "Fossil CO2 emissions of all world countries, 2020 report"


更新:2021.02.06、2021.03.16