エネルギー・コンセプトに沿って2011年からいくつかの法律が発効しているが、2011年7月には新たに7本の法案が成立している。
なお、この2010年9月のエネルギー・コンセプトは2000年に当時の社会民主党・緑の党連立政権が定めていた原子力発電所の稼働期間を約12年延長することを前提としたものであった。このため、原子力は再生可能エネルギーが柱としての役割を担えるようになるまでの「橋渡し」という位置づけであった。その後、メルケル首相は福島第1原発の事故を契機に、ドイツ原発の稼働期間延長を急遽取りやめ、最終的には古い原発8基を停止することにしたが、その背景にはこのエネルギー・コンセプトにもみられるとおり、原発の扱いに関する長い議論と、将来的には再生可能エネルギーの時代を目ざすとの合意があり、そのために迅速な決断も可能であったみられる。
(2011.09.08)
|